【安いテントには理由がある??】テント選びの基礎知識【フレームの素材について】
はじめてテントを選ぶ時に、安いテント・高いテントがあるけどなにが違うの??と思ったことはありませんか??
スペックとかゴチャゴチャ書いてあるけどよくわからない、、
そんな方が多いと思います。
テントの価格を決める要素は様々ですが、フレームの素材は価格に大きな影響を与えます。
今回はテントに使われているフレームの素材について徹底的に解説していきます!
では、いきましょう。
テントのフレームについて
テントの値段は1万~6万円くらいまで非常に幅が広いですが、ブランド価値などを除くと価格を決めるのはフレームの素材が大きな要因だと思っています。
もちろん、テント生地や丁寧な縫製、生産工場の違い、フレームの本数など、価格が高くなる要素はいろいろありますが、縫製などは実物を見ないとわからないのに対して、カタログでスペックを見た時にすぐに判断できるのはフレームの素材ではないでしょうか。
フレームの素材を知っておくと、今後テントの値段を見た時、価格差が腑に落ちるようになるかもしれません。
では、フレームの素材とは何か??を深掘りしていきます。
フレームには主に3つの素材があります。
①FRP
②スチール
③アルミニウム合金
①FRP
FRPとは繊維強化プラスチックのことです。
安価で生産できるのが特徴で、安いテントを生産できるのもフレームがFRP素材であることが大きな理由の1つです。
人工的な竹をイメージして頂くとわかりやすく、長所はしなることですが強度はそれほどなく、扱いを間違えると折れやすい素材です。
高湿で強度が低下するので保管もしっかりしないと(FRPに限った話ではありませんが、、)寿命も短くなってしまいます。
FRPフレームの使用に向いているテントは、2本のフレームを交差させるドーム型テントです。
逆に2ルームテントのフレームのような複雑な加工はできないので、用途はシンプルなテントに限定されます。
②スチール
スチールとは鋼鉄のことです。
非常に丈夫なのですが、重くてサビやすいという短所があります。
しならないので、真っ直ぐの状態で使用するタープポールや、テントの前室のポールの素材として使われることが多いです。
③アルミニウム合金
アルミニウム合金とは、アルミを主成分とした合金です。
アルミは軽いという特徴がありますが、純アルミだと強度に問題があるので銅や亜鉛などの素材と合金にすることで強度を上げています。
特徴としては、しなりが良い、反発力がある、加工できる(複雑な動きができる)、軽い、丈夫という、パーフェクトさんで、今のところテントフレームとしては最高の素材と言われています。
文句なしですが、価格が高いのがネックです。
高級テントにはアルミニウム合金が使われていることが多いです。
ジュラルミンとは??
さて、みなさまはジュラルミンという素材を聞いたことがあるでしょうか??
ジュラルミンとは、アルミニウム合金の一種なんです。
アルミニウム合金=ジュラルミンというイメージがある方も多いと思いますが、実はアルミニウム合金=ジュラルミンではありません。
アルミニウム合金には1000系~7000系まで系統があり、ジュラルミンは2000系と7000系のアルミニウム合金のことなんです!←※ワケワカラン
例えば、A2017(ジュラルミン)、A2024(超ジュラルミン)は2000系合金と呼ばれる系統で主にアルミニウムと銅の合金です。←※英数字多スギィ!
A7075(超々ジュラルミン)は7000系合金と呼ばれる系統で、主にアルミニウムと亜鉛・マグネシウム・銅の合金であり、アルミニウム合金の中で最高の強度を誇ります。
つまり系統というのは使われている合金の素材が違うということです。
さらにジュラルミンの中にも種類があり、高級テントにはジュラルミンや超ジュラルミンのフレームが使われていることが多いのですが、最高級テントにはさらに強度が高い超々ジュラルミンが使われているのです!
具体的に解説していきます。
ジュラルミンは日本産業規格(JIS)で3つ種類があります。
A2017=ジュラルミン
A2024=超ジュラルミン
A7075=超々ジュラルミン
なんか超とか超々とか出てきて、モーニング娘。みたいですがそれは置いておいて、、
結論からいうと、最高級テントには【超々ジュラルミン】が使われていることが多いということです。
ここまで記事を見てくれた人は「じゃあ、超々ジュラルミンが最高でそれ以外はダメなんですね」と理解したかもしれないです。
しかし、それは違います!
7000系(超々ジュラルミン)について
7000系は確かにアルミニウム合金の中で最も強度があり軽くて丈夫なんですけど、フレームには適材適所があります。
7000系大好きな人は登山でテン泊をする方に多く見られますが、確かに山岳テントのフレームでは超々ジュラルミンが最高です。
理由は山岳テントは2本のフレームを交差させるシンプルなドーム型が主流なので、軽量で丈夫な超々ジュラルミン以上のフレームは見つからないでしょう。
でも、その価値観で2ルーム大型テントのフレームで6000系が使用されていると
「ダメだな、ジュラルミンですらないし強度が低い」と決めてかかるのもNGです。
2ルームの複雑なフレームを再現するのは加工しやすい6000系が最適だったりするので、超々ジュラミン以外はダメ!と決めるのではなく、「フレームには適材適所があるんだ!」と理解してもらえると良いと思います。
(超々ジュラルミンが高級品なのは間違いないですが)
6000系=ポールを曲げたり加工がしやすい→2ルーム大型テントなどの複雑なフレーム向き
7000系=丈夫で軽いポールができる→山岳テント向き
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はテントフレームについて書かせて頂きました。
英数字とかいっぱいでワケワカランと思った方も居ると思いますが(私です)
お伝えしたかったのは、フレームの違いでテントの価格はかなり変わるということです。
安いテント・高いテントにはしっかり理由があるんですね。
この記事を読んで少しでもフレームについて理解できた!と思って頂けたら嬉しいです。
では、また!!